
こんにちは。転職の家庭教師キャリアコンサルタントの丸井沙紀です。
転職をしようかどうか悩んでいる、今の会社を辞めるべきだろうか?辞めて後悔しないだろうか。
こんな風に悩んでいる方も多いと思います。
今回は、私が長年転職サポートをしてきた中や身近な人で、
「この人は転職しない方がいいのではないか」と思ったケースをご紹介します。
キャリアコンサルタントとしては「決めるのは本人」というスタンスではありますが、客観的にみてしない方がいいと思った人、結果辞めなくてよかった方などの例をご紹介いたします。
キャリアコンサルタント、特に「転職の家庭教師」などと名乗っていると、
「相談したら転職しないといけなくなる」「転職を勧められる」と思われる事があるのですが、
実は「転職しない方がいいな」と感じた方には率直にお伝えさせて頂くことがあります。
もちろん、決めるのは相談者ご自身です。
しかし、ご縁があって私にご相談に来ていただいた方には、
「幸せになってほしい」「失敗してほしくない」「無駄な転職は避けてほしい」と強く思っています。
とはいえ、そのまま今の仕事を続けていたら辛かったり、モヤモヤが続くと思いますので、
いつもアドバイスをしている方法を元に、試して欲しい方法もご紹介していきます。
(プライバシー配慮の為、ケースの細かい部分は実際と異なる表現をしている場合があります)
この人は転職しない方がいいなと思った5つの例
「自分の専門部署が将来なくなる不安」 一流メーカー勤務 20代 Aさん
誰もが知っている有名メーカーで技術職として勤務していました。
ご本人としては自分が担当している部署の技術がいずれ使われなくなる、必要なくなるのでは?といった不安があり、今のうちに別の会社へ転職した方がいいのでは?と考えるようになりました。
ただ、実際に今そのような話が出ているわけではなく、将来的な不安を抱えている状態でした。
これを機に他の会社も見てみたいという好奇心もあるようでした。
しかし、その技術自体も当分はありそうですし、何より年収や福利厚生などここまで整っている企業はなかなかないと思います。
もし、数年後、担当している部署や技術がなくなったとしても、
これだけの大手メーカーであれば、他の部署や関連会社の出向などといった可能性があり、
いきなりクビになることはないはずです。
もし大幅リストラなどで解雇になる場合にも、退職金の割り増しや転職サポートなど手厚いフォローがあると考えます。
将来への不安という事だけで転職を考えるようでしたら、
他社に行く場合には、なくなるかもしれない今の専門的技術を捨てて、別の技術に切り替えなければなりません。
それであれば、本当に部署がなくなってしまった際に、
今の会社での部署異動や出向になることとあまり変わらないのではないでしょうか。
中小企業などに転職した場合には、不況やその技術が不要となった際、会社ごと倒産してしまう危険があります。
とはいえ、Aさんの中では、いくらそう言われた所で不安は続きますので、実際転職活動をしていただく事にしました。
動いてみて、他社の求人や仕事内容を確認して、今の会社が恵まれていると実感するかもしれません。
逆に素敵な求人や会社と出会えば転職をすればいいことです。
転職活動の準備として履歴書と職務経歴書をまとめておけば、この時点では転職をすることはなくても、先々転職することになった時に、すぐに動く事ができます。
「となりの芝生が青く見える」 元同僚Bさん 男性
私が会社員時代に後から入社した男性の話です。ベンチャー企業でITなどのスクールを運営している会社でした。その男性は、元は専門学校などを運営する学校法人にいました。
「学校法人は特殊」という印象を自分の中で持っており、年収も一般企業の方がもらえるのではと考えました。
「隣の芝生が青く見えた」と本人も言っていました。
次の会社を決めてからの退職であれば、年収などは比較検討できたのですが、一旦退職してから転職活動でした。
結果、大幅に年収が下がってしまいました。勤務も激務となってしまいました。
奥様は元の学校法人でまだ働いていて、妊娠出産・時短などの期間でダウンした年収ですら、
転職先(私がいた会社ですが・・・)より高いと苦笑いしていました。
例えとなりの芝生が青く見えても、きちんと芝生の色を調べてから動いた方がいいという実例です。
「大企業で年収が高いけれどもしんどい」 30代Cさん 男性
この方は誰もが知る企業で年収は1300万円ほどでした。
しかし色々疲弊することが多く転職を考えていました。
妻子がいて良い場所にお住まいだったので、まず確認したことが

世の中の年収の平均や中央値ってご存じですか?

わかっています。400万円台ですよね
と、頭ではわかっているようでした。

以前から憧れている〇〇業界に挑戦してみたいんです。

〇〇業界はもっと年収低いですが大丈夫ですか?

やりたい事ができるなら大丈夫です( ー`дー´)キリッ
と言ったものの、実際求人を見て応募する段階となったところ、

本当に300万円台とかなんですね・・・。皆これで本当に生活しているんですか?

してます!(声を大にしてw)
年収が低いからとって決して仕事が楽なわけではなく、寧ろ激務になる場合もあります。
結果、Cさんは転職を思いとどまりました。
お金の価値観は非常に重要です。
1/4以下の収入になった際に合わせる事ができるのでしょうか?
自分ひとりでしたら、やりたい事にまい進できればと価値観を変える事もできるかもしれません。
しかし、家族がいた場合、奥様の価値観は勿論、お子様が通っている私立の学校や習い事や塾、将来目指していた進学もあきらめなければいけなくなる可能性があります。
今までと同じような服を着てランチにいったりできなくなる為、奥様もお子様もお付き合いするお友達も変えざるおえなくなるかもしれません。
実際に私の知人でも子供の頃にこのようなケースがありました。
特に受験したくないのに中学から私立に行くように言われ、高校も多くの人は一流大学に行くような学校に通学していました。小学校の頃から習い事も沢山していました。
ところが親の仕事の都合で、大学受験すらあきらめなければいけなくなりました。
将来を左右する重要な場面、しかも多感な時期に価値観が壊れ、描いていた将来も絶たれ、同級生とも話があわなくなることで友人を失い、心に深い傷を負っていました。
独身の方もお金の感覚を重要です。
今の1/4というのはオーバーでも半分、いや、年収50万~100万円ダウンでも、生活水準は大きく変わってきます。
今まで当たり前に買っていたものや遊びの予定は我慢をする場面が増えます。
コスメや洋服、食事も慣れたものから、一番安いものを選択しなければいけない場面が出るかもしれません。
お友達との付き合いも、食事するお店や旅先の予算などが合わなくなってくると、おのずと会う回数を減らす事となり、一緒に行動しつづけるのは辛いと感じる場合も出てきます。
勿論、地方に移住などして、年収では大幅にダウンしたけれど、自給自足をしたり、近所の方に農作物を分けたりしてもらいながら、大自然の中で心が豊かになる生活を送るような人もいます。
まずは自分自身が、年収が下がった後の生活を想像して覚悟ができているのか、そしてご家族がいる場合には同意が得られているのかという事も重要なポイントです。
「本当は正社員で働きたくない」 20代Dさん
Dさんは今まで一度も就職したことがなくフリーターとしてアルバイトを続けていました。
実家暮らしなので生活には困りません。
ただ、両親から「就職しなさい」「正社員にいつなるのか?」と言われており、
Dさん自身も「正社員にならねばならない」「就職しなければならない」と思ってはいました。
しかし、就職活動をしても、面接がなかなか通らず、やっと内定が出ても断っていました。
私とのキャリアコンサルティングで本音を掘り下げたところ、
Dさんの本当の本音は、
就職したいのではなく、本当は、
早く結婚して専業主婦になるか週3日位のパートをするような生活を理想と思っていました。
それでは就職活動はうまくいくはずはありません。
就活では志望動機などを詳しく聞かれ、その業界・職種・会社に強い興味があることを伝える必要があります。
そもそも、正社員として働く意欲がある事が大前提です。
しかし、Dさんはその大前提がないので、面接で熱意が伝わらないですし、内定をもらっても断っていたのです。
Dさんはお付き合いしている方はいないとの事だったので
「転職の家庭教師にこなくていいから、今すぐ婚活をしましょう!」
と伝えました(笑)
「ねばならない」に囚われて、自分の本当の気持ちとギャップがある中で頑張っていませんか?
勿論「ねばならない」で生きていかなければいけない状況もありますが、
心が追いついていない場合は物事がうまく進みません。
「入社後すぐに辞めたい」と相談があったEさん
転職の家庭教師としてサポートをさせて頂いた中で、転職後数か月位で「合わないから辞めたい」というご相談を頂くことがたまにあります。
こちらのEさんは入社後2か月位の時に「向いていないのではないか」という相談を頂きました。
聞けば仕事がうまくできない事、上司とのコミュニケーションに悩んでいました。
まだ「辞める」という決断をするのは早いのではないかと私は感じました。
入社後2か月では、まだ仕事内容ところか、環境やルール、社風、人間関係などに慣れていない段階です。
早く仕事ができるようになりたいと焦る気持ちがわかりますが、できてないことが多くて当然です。
また、上司との関係性については、実際のやり取りをお伺いしたところ、
上司には決して悪気やいじわるな気持ちはなく、言葉が強い事でEさんが強く受け止めすぎている印象を受けました。
上司の言動に対する受け取り方の視点を変えてみるアドバイスを行いました。
他にも、こちらからの質問の仕方などコミュニケーション方法についてアドバイスをさせて頂きました。
そこから2年後、別件でのご相談で再度連絡をくれました。
その会社での勤務を今も継続されていて、仕事にもやりがいがでて、活き活きと働いていました。
「あの時、丸井さんに相談をして、辞めないで本当によかった」
とおっしゃっていました。
今の会社にある「当たり前」の環境にも目を向けてみる
新卒で入った会社が大手企業の方は、年収や福利厚生、法令順守、安心感、大きな仕事を担当でき開発予算が豊富にあることが当たり前と感じてしまいます。
その世界しか知らないので当然です。
中小やベンチャー企業では、今ある当たり前のものが、存在しないという事があります。
年収など入社前にあきらかにわかる事は勿論、
仕事のやり方や価値観の違いがあったり、
下流工程になって思うような仕事ができなくなってしまったり、
当たり前の法律やルールが守られていない(本当は良くないことなのですが・・・)
といったことがあったりする場合があります。
新卒で入った大手企業から始めて転職をしようと活動を始めてよく聞くのが
「退職金がない企業が多いんですね」
「契約社員が多くて正社員の案件の案件がこんなに少ないなんて」
という声です。
中途採用の場合や中小ベンチャー企業は退職金がない場合が多いです。
そして「正社員である」という事すら、実は当たり前ではないのです。
また、大企業の場合、新卒以外は正社員は取らない、総合職はない、契約社員で様子を見て試験を受けて、合格して初めて正社員という企業も多いです。
新卒切符で入った会社を手放す事にはリスクがあることも念頭にいれましょう。
それでも悩みが解決しない場合に試してほしい4つの方法
今の状態は恵まれていると頭ではわかっている、家族や友人知人に聞いても「今の会社は恵まれている」「こんな安定した企業はない」と言われる。
でも、今辛い、このまま長くは続けられない、モヤモヤしたままになるという方もいるでしょう。
私が知っている方の中にも、大手有名企業で高収入の方や、安定した公務員の方でも悩んでいたり、心身を崩してしまったりしている方がいます。
傍から見て恵まれていても、本人にとっては辛いということはありますよね。
でも、今までの例で紹介したように、転職しない方がいいという人が、やみくもに動いて転職しても、当たり前にあった環境がなくなり、考えもしない大変な状況になってしまったらと思うと怖いですよね。
そんな時はまず動いてみる、調べてみるという事をお薦めします。
転職活動をしてみる
まずは転職活動をしてみる事をお薦めします。
実際に転職活動をしてみると、どんな求人があるのかといった他の会社の事がわかります。
いくら、周りの人に「こんな年収他ではないよ」と言われてもピンとこなかった人も、
実際に求人を手にするとCさんのように「本当に世の中の年収は低いんだなあ」と実感することもあるでしょう。
逆に探してみたら意外と同じ年収、かもっと上をめざせることもあるかもしれません。
また、Aさんのように今が大手メーカーであれば、
同規模のメーカーで前から興味があり今後発展する可能性があるエンジニア職を募集していて、年収や福利厚生も下がる危険はないといった求人に出会えるかもしれません。
よさそうな求人があれば実際に応募して、受かってからも現職と比較検討して、転職したいと思ったらすればいい事です。
逆に色々動いてみて、今より良い環境の転職先がなかった場合も、同じ今の仕事を続けるとしても納得感が違うと思います。
隣の芝生が青く見えたBさんも辞める前に転職活動をしていたら、辞めない方がいいという事に気がついたかもしれません。(結果転職して年収ダウンしハードワークになってしまった会社で働いていた私というオチですが)
浮気をしてみたら、今のパートナーの良さに改めて気が付くかもしれません(笑)
恋愛と違い、転職活動をこっそりすることは、誰も傷つけることはありません。
より今の会社の良さを実感して、前向き働くことができるようになるかもしれません。

「転職活動を始めたら転職しないといけない」と思っている人がいますが勘違いです。
転職活動をしたからとって、必ず転職しなければいけないわけではありません。
内定をもらったとしても、断る事ができます。
現職に退職の意思を伝えるまでは、転職をしないという選択肢は残ります。
そのかわり今の会社や上司・同僚にはばれないように注意しましょう。
専門家に相談してみる
転職エージェントやハローワークの窓口などで、自分の状況や希望を伝え、どんな求人があるか紹介を受けたり、世の中の求人状況や業界情報、自分の市場価値を探ったりしてみるのも手です。
また私のようなキャリアコンサルタントやコーチに相談することで、Eさんのように自分のモヤモヤの原因や本当の希望に気がつく場合もあります。
人事異動を検討してみる
転職だけが現状を変える手段ではありません。
モヤモヤの原因が以下であれば人事異動で解決する場合があります。
・仕事のやりがいがない
・人間関係
・残業が多い
異動希望や出向の話に手を挙げてみるといった形で、社内にいながら環境を変える事で、今抱えている問題やモヤモヤが解決することもあります。
実際に転職の家庭教師に「転職をしたい」とご相談にいらした方でも、異動や出向により問題が解決し、活き活きと働いている方が何人もいらっしゃいます。
趣味や副業など、他の事を充実してみる
悩みや不安の内容によっては、転職など仕事の中で解決することではなく、趣味や恋愛を充実させて、幅広い世界を知る事で不安が解消されて毎日が充実することもあります。
また、副業や起業準備をする、資格取得などスキルアップをすることで、違うことにトライできる充実感を得られることも。
先々の転職や起業にむけて準備をすることで、成長を感じる事ができ、不安が解消されるかもしれません。
私の場合は転職すべき?
いかがでしたでしょうか。
5名の事例を見ていただき「あ、私と似ている」という人もいれば「自分は全く違う状況で悩んでいる」という方もいるでしょう。
会社の状況も、個人の悩みも状況や環境も十人十色です。
キャリア相談では、あなたの状況や気持ちをしっかりとお伺いした上で、本音や本当にやりたいことを引き出し、転職すべきかどうかも一緒に考えさせていただきます。
また、私が知っている限りの情報を元に、転職した場合の他社の状況などもお伝えし、判断材料としていただけるようにします。
転職エージェントなどは、どうしても転職前提の話になりがちです。
個人のキャリアコンサルタントであるからこそ、100%相談者の味方となって一緒に考えていきます。
そして、まずやるべきこともご提案させていただくことで、前に進むことができます。
転職をしないという決断をしたとしても、どうやって今の不安や不満を解消し、充実した仕事生活を送れるかまで一緒に考えていきます。
まずはお試しキャリア相談でお気軽にご相談ください。