中途採用でも内定通知書は出る?必要な場合とその理由を解説。

こんにちは。転職の家庭教師 キャリアコンサルタントの丸井沙紀です。

転職活動も終盤。最終面接を終え晴れて合格の連絡♪
「〇〇さん採用です。いつから入社いただけますか?」

やった!あの会社に受かるなんて!早く今の会社に辞めるって言わなきゃ!

ちょっとまって!
内定通知書か労働条件通知書はもらいましたか?中身をしっかり確認しましたか?

内定が決まった際に必ずもらって欲しい通知書と、そのチェックポイントを、沢山見てきた事例を交えてお伝えしたいと思います。

※こちらの記事は公開当初から予想外に多くの方にアクセスいただいております。2024年4月の制度改正にあわせて、別途労働条件通知書についての記事を公開しました。記事にあわせこちらは内定通知書のみの説明にリニューアルしております。

内定通知書って何?

そもそも内定通知書ってどのようなものかのご説明から。

企業によって「内定通知書」「採用通知書」などと名称は様々です。
フォーマットや内容も企業によって異なりますが、内定をしたという旨と、労働契約期間や年収・月給などの労働条件が書かれています。他にも公休や有給、賞与や昇給など細かい規定が書かれている場合もあります。

要は内定が出た証拠拠だと思ってください。

労働条件通知書と内定通知書は何が違うの?

内定通知書・労働条件通知書・雇用契約書の違い一覧

発行義務内容アドバイス
内定通知書・採用通知書なし後で内容に相違があった場合には法的証明の根拠になる先に労働条件通知書の明示があれば不要。もらうべきケースは下記で解説。
労働条件通知書通知・記載項目に決まりがある必ずもらってください。必要事項が明示されているかも確認。
雇用契約書なし双方が署名捺印をする。労働条件通知書と一緒になっている場合もある。あった方が安心。
表がすべて表示されない場合には横にスクロールしてください

通知義務となっているのは「労働条件通知書」のみで、内定通知書や雇用契約書の発行は義務ではありません。
では、なぜ内定通知書をもらう必要があるのでしょうか?

内定通知書はもらう必要あるの?

結論:すぐに労働条件通知書がもらえなけえば、必ずもらってください。。

逆にすぐに労働条件通知書がもらえれば、もらう必要はありません。

例えば、「内定」「合格」という通知が電話など口頭のみの場合、口約束にすぎず、なんの証拠もありません。
そこで他に進んでいる選考を断り、現職に退職の旨を伝えた後に「やはり内定は取り消しで」「内定を出した憶えはない」と言われてしまったら・・・恐ろしくないですか?

ちなみに労働条件通知書は法律で発行義務があります。必ずもらってください。

年収や月給など賃金記載を必ずもらいましょう

例えば、求人広告には「年収300万~500万円」と記載されていた。
あなたの現在の年収は400万円。今の年収を下回る転職は避けたい。
面接など口頭で「450万円はお出ししましょう」と言われた。
そして内定の連絡がきた。
あなたは現職に退職の意思を伝え、新しい会社への入社準備に入ります。

そこでもし
「年収は300万円からのスタートですよ?求人広告にもそう書いてありますよね?」
と言われたらどうしますか?言った言わないの話になります。


400万円以上の年収じゃないと生活できない
そもそも年収UPが目的の転職だったのに100万も下がった!
辞退して他を探すにしても、現職にはもう辞めると伝えてしまった。数週間後には無職に・・・


という恐ろしい事態になります。通知書にはしっかりと年収や月収を記載してもらうようにしてください。

内定通知書はどうやってもらえばいいの?

基本的には先方にお願いする形となります。転職エージェントを利用している場合には、エージェントを通してもらえるのが通常ですが、もらえなさそうなときには、エージェントに相談してみてください。

自身で企業に直接応募をした場合には、人事担当者に「内定や採用や雇用条件などを明記した書類を頂けませんか?」とお願いしてみてください。対話や電話での口頭やメールではなく書面で頂くようにしましょう。

重ねてになりますが、労働条件通知書がすぐにもらえた場合は、内定通知書をもらう必要はありません

労働条件通知書は発行が法律で義務づけられており、記載内容にも細かい規定があります。

内定通知書は、なんらかの理由や事情で労働条件通知書の発行までに時間がかかる。
でも発行までに入社の意思決定をし、選考中の他の会社を断り、今の会社に退職の意思を伝えないとならない場合です。

では、なぜ労働条件通知書の発行が遅い会社があるのでしょうか?

理由は2つ考えられます。

  • 現時点では勤務地や業務内容など、記載必須事項に明示できない項目がある。
  • 社内の規定や業務フローで、内定承諾を得て入社が決まった方にしか出さない決まりになっている。

詳しい解説はこちらの記事をご確認ください。

労働条件通知書ってもらう必要あるの?雇用契約書や内定通知書との違いや実際にあったトラブル事例も紹介。

内定通知書を出さない会社は怪しい会社?


内定通知書を出さない=怪しい会社ではないと個人的には思います。
(但し、出してほしいお願いしても対応してくれないのは誠意が感じられません)
労働条件通知書は法律で発行義務がありますので出さない会社は法律違反で怪しい会社といえます。

小さな会社など、内定通知書を今まで出したことがない、出すという事を知らない、もう内定は決めているし、来てほしいと思っているし、面接で話したことに嘘偽りがないからなんの問題もない!
と悪気なく本気思っている会社もあります。(私自身が受けた会社や面接代行でかかわった会社でもこういう会社は多いです。皆気のいい社長さんの会社です)

それでも、内定承諾をし、現職に退職の意思を伝える前に、労働条件通知書または内定通知書のどちらかを必ずもらえるようお願いしてください。

「信じてはいるが、年収などのが記載された書類がないと、安心して現職に退職の旨を伝える事はできない」と説明すれば、多くの会社は「それはそうですよね」と言って慌てて作成してくれます。

言いにくいようでしたら「キャリアコンサルタントが必ずもらった方がいいと言っていたので」と言ってもいいでしょう。

それでも出してくれない場合には、ちょっと疑った方がいいかもしれません。
まして、内定の証拠書類は出さないのに「現職には辞めるともういったのか?」「いつから来れる?」と急かしてくる会社もあります。
そういった会社は、安心して入社してほしいという誠意が欠けてるのではないでしょうか。入社後も社員を大切にしてくれるのか?書類ひとつ出すのにとても面倒な流れになっている会社なら仕事もづらそう?など疑問に思います。何か出せない事情があるのかな?と疑いたくなってしまいます。

私が転職の家庭教師としてサポートしているお客様には、必ずいずれかの書類をもらうよう伝え、差支えなければお見せ頂きおかしな点がないかを一緒に確認するようにしています。

「内定通知書・労働条件通知書がもらえない」「もらったけれどこれで大丈夫か不安」という方はキャリア相談でお気軽にご相談ください。

私は会社員時代に転職活動をして数社内定をいただいていた為、年収なども含めて比較検討したいし、そもそも内定が確かではないと他社を断る事もできないので、内定通知書をお願いした所「今どきはそんなもの必要なの?あなた内定通知書のコレクター?(笑)」と嫌味っぽく言われてしまった事があります。それでも出して頂きました。結果辞退したので、わざわざ通知書を作成頂いてと心苦しくもありましたが、重要な決断をする上で大切な権利だと思います。因みに人材業界だったので・・悪気はないとは思いますが、人材会社でその考え方だとその会社に登録頂く求職者へ対応も残念な感じなのかなと想像してしまい、入社をするのは辞めました。

確認すべきポイント

企業によって書いてある項目は異なりますが、以下の点が記してあるか、問題ないかをチェックしましょう。

賃金

年収・月給・基本給や各種手当・賞与など内訳も確認しましょう。

労働契約期間


正社員の場合でも必ず確認してください。「期間の定め無し」と書いてあれば問題ないです。正社員の場合にも落とし穴があります。次の項目で紹介いたします。
そもそも正社員とか契約社員というのは法律用語ではありません。
有期雇用(期間の定めがある)か無期雇用(期間の定め無し)であるかという事です。

試用期間がある場合の条件



上記3点は最低でも確認しましょう。
その他にも一通り目を通して気になる点があればチェックしましょう。
また、同時期に2社以上内定をもらえた場合も、両社の通知書をもらい、比較検討すると良いです。

過去にあったトラブル事例

今まで多くのお客様の内定通知書の確認をさせて頂きました。ほとんどは問題なく安心して入社頂けるものでしたが、過去にいくつかこれはマズイでしょう!という事例があったので紹介します。

「正社員での採用のはずが労働契約期間」 今までトラブルとなった例はほぼ全てこれでした。

(事例1)求人広告では正社員となっていたのに期間の定めあり


通知書をよく見ると「期間の定めあり:〇年〇月〇日~〇年〇月〇日」と書いてありました。求人広告では正社員となっており、面接もそのつもりで進んできました。私が確認するまでご本人も気がついておらず、私が気づき、すぐにオファー面談の場で質問するようアドバイス。
「正社員ではあるし、更新するつもりだけど社内の規定で念のため1年ごとの期間を設けているんです」というわけのわからない説明でした。同じような事例は他に数例ありました。

(事例2)現職に退職の旨を伝えた後に内定取り消し

スカウト型転職エージェントで実際にあったトラブルで訴訟問題にまで発展した例です。企業からの内定を、転職エージェント経由でもらい、エージェントは「早く今の会社に退職の旨伝えてください」と急かしたそうです。その後、企業から内定の取り消しがあり、ご本人は現職に戻るに戻れず、無職になってしまいました。実際に何かしらの通知書が発行されていたのかは定かではありませんが、大変怖い事です。私のお客様に起きたことではありませんが、ニュースになってた事例です。

転職エージェントは内定した企業に確実に入社して欲しい為、現職への退職意思を伝える事を急かす場合があります。例え急かされても、きちんと通知書をもらうと共に、疑問な点は質問をして解消し、自身のペースと意思で決断しましょう。


その他のトラブル事例は、こちらの記事でも紹介してます。

労働条件通知書ってもらう必要あるの?雇用契約書や内定通知書との違いや実際にあったトラブル事例も紹介。

疑問な点が出たらオファー面談を活用

疑問な点は、電話またはメールでの質問、できればオファー面談をお願いしてみましょう。
オファー面談とは内定後、労働条件と入社意思のすり合わせを行う、企業と内定者との面談です。 内定通知書にある項目にある以外の事でも、疑問な点があれば質問をして、安心して入社できるようにしましょう。
逆に質問への回答やオファー面談を断るような会社は、社員に対して誠意が感じられないように思います。辞退も含めて総合的に判断する材料となります。
また、賃金などの記載がない場合、後で言った言わないになるような事は口頭ではなく、電話質問やオファー面談で説明を受けても、書面で出してもらった方が安心です。

事例にも挙げたように、質問をしたり、オファー面談をお願いしたりした時に企業の態度や本音がわかります。
事例は悪い事例ですが、疑問な点や心配な事に丁寧に答えてくれたり、職場見学をさせてくれたりと、不安を取り除いてくれようとする会社も多くあります

一生に何度かしかない大切な場面。そして、転職後の方が人生は長いです。

自分自身を守る為にも、安心して新しい会社で業務に集中して活躍する為にも、確認はしっかりとしましょう。

安心して入社しましょう

内定通知書または労働条件通知書をもらい、しっかりと確認する事がいかに大切かという事はご理解頂けたでしょうか?
ほとんどの会社は問題なく、法律にも則った通知をし、入社に進めます。しなしながら、中には事例に挙げたような悪質な会社が存在する事も事実です。
証拠が残らず、現職に退社の旨を伝え、言われた通りにサインをしてしまうと、後で取返しがつかない事になってしまいます。

内定後の手順

採用の連絡がきた

労働条件通知書を必ずもらう

すぐに出ない場合には内定通知書など内定の証拠を必ずもらう

疑問な点は質問・オファー面談

入社承諾

現職に退職の意思を伝える・選考中の他社を辞退する

入社

転職活動は採用する側が偉く「選んでやっている」、求職者側は「選ばれたい、選んでいただく」という上下関係になりがちです。
しかしながら、求職者側のあなたにも会社を選ぶ権利があります。また、契約期間や賃金などはあなたの労働とスキルと時間に対する大切な対価であり、契約ごとです。

安心して入社する為に、こちらの記事もあわせてご確認ください。

労働条件通知書ってもらう必要あるの?雇用契約書や内定通知書との違いや実際にあったトラブル事例も紹介。

転職で失敗をして後悔する前に

転職の家庭教師では、キャリア相談を随時受け付ております。

  • 内定通知書・労働条件通知書を見ていて疑問な点がある
  • 内定が出たが本当にこの会社に入社していいか悩んでいる
  • 疑問な点や心配な事があるがオファー面談のお願いの仕方がわからない
  • 内定通知書・労働条件通知書がもらえない
  • 転職後、新しい会社で上手にコミュニケーションを取っていきたい

こんなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。まずはお試しキャリア相談からお問合せください。
お試しといえど、90分もあるので内定まで来ている方は、1回のみで完了する方もいます!
人生においての大切な場面です。入社してから後悔しないように、お気軽にご相談ください。