退職理由を面接でどう説明する?(後編)~好印象になる伝え方~

こんにちは。転職の家庭教師キャリアコンサルタントの丸井沙紀です。

面接で必ずと言っていいほど聞かれる「退職理由」。

「どこまで話していいの?」「正直に話して大丈夫?」「私の経歴変わってるから・・・」こんなご相談をよく頂きます。

うまく説明をする方法、プラス表現など調べ工夫しつつもなんかしっくり来ないと悩まれている方も多いでしょう。

説明方法を考える前にしてほしい一番大切な事を前編でお伝えしました。

はじめてこのブログに来ていただいた方は、まず前編をお読みください。

伝えるべきことは全てこのブログで伝えたと言っても過言ではありません。

退職理由を面接でどう説明する?(前編)~プラスに表現する前に必要なこと~

マインドセットや自己分析はわかった。

実際面接ではどう伝えたら良いの?という好印象な伝え方とテクニックについてここでは解説していきます。

しつこいようですが、必ず前回のブログを読んでからこの記事を読んでくださいね!

じゃないと上っ面のテクニックになってしまいます。

嘘はNGだけど物は言いよう

大前提として、面接で嘘はNGです。

事実と異なる事、盛った話しは信頼関係を損ねるだけでなく、仮にそれで合格してものちに自身の首を締めることになります。

何より面接官はおバカではありません。

多くの方を見てきたプロも多くいます。

嘘には何か違和感を感じて、より掘り下げた質問に至ります。

不思議なもので弱いところ、自信がない所、突っ込まれたくないところに限って、掘り下げて沢山質問が及ぶものです。

これから一緒に働く仲間を探している面接。

信頼関係は重要です。真摯に説明する姿勢を見せましょう。

とはいえ、前回のブログのように、ただ事実や思った事を正直にそのまま伝えても誤解を招きます。

言い方、使う言葉、前置きやクッション言葉は勿論、10ある理由の10全てを話す必要はありません

そのうちの説明しやすいものを誠意をもって説明することも重要です。

本音を正直に話すと誤解を招きやすい

★解決方法★

曖昧な表現→具体的に

退職理由を伝える上で事実を伝えなければならない場面もあります。

例えば残業が多い、通勤が遠い、パワハラなどです。

これらを柔らかく表現しようとして曖昧にすると逆に誤解を招く事もあります。

より具体的に表現することで事実が伝わりやすく、あった会社を選択することができます。

理由①「残業が多い」

伝え方の例

残業が〇時間以上あり長く続けられないと感じた

「残業が多い」と言っても「多い」の基準はひとそれぞれ。

私が今までお話した方の中では「月5時間もしたくない」という方から「今月の残業時間が300時間超えているので100時間でいいなんて夢見たいです」という方もいました。

(残業が多い事を推奨しているわけではありません。36協定や過労死ラインは必ず確認しましょう)


面接官としても「多い」と言ってもどの位を意味しているのかわかりません。

解説

数字にして伝える事で明確化します。

例えば今までの残業時間60時間であったとします。

残業時間を減らす事が転職理由のうちの1つです。

これを正直に伝えると「60時間位で多いと言っているなんて弱いなあ」と不採用となる可能性はあります。

でもそんな会社は実際60時間以上残業がある会社なので、60時間以上残業をしたくないあなたは落としてもらった方がよいですよね!逆にふるいにかける事ができます。

通勤時間も同様です。

理由②「パワハラ・セクハラ・人間関係」

★解決方法★

差し支えない程度に具体的に

パワハラ・セクハラ・人間関係は残念ながら人によって感じ方が違います。ナイーブな問題であるがゆえに面接官も突っ込んだ質問もできず曖昧になりがちです。特に「人間関係」とだけ聞くと、本人に非があったりまわりとうまくやれないタイプだったり、怒りやすいのではないかといった誤解を招いてしまう事もあります。

伝え方の例

毎日怒鳴られた
もう何人もの社員が辞めていっている
過去には裁判にもなっているようだ
同期で残っているのは自分だけです

解説

説明の必要がある場合には「毎日怒鳴られた」など具体的に説明をしましょう。

その時には辛い話もあるとは思いますが感情的にならずに、事実を淡々と述べるようにしましょう。

「もう何人もの社員が辞めている」といった事実を伝える事も有効です。

前置きをつけるなど(後述します)話し方も工夫しましょう。

ただしパワハラやセクハラなど思い出したり話したくない事は無理に全部話す必要はありません

どうしても話さないと説明が付かないという場合のみにとどめましょう。

以前退職理由の説明で印象的だったのが

「会社の雰囲気が悪いんです。自分が何をされているというわけではないのですが、常に怒鳴り声が聞こえてくるんです。観葉植物や文房具が宙を舞っていることもしょっちゅうです。昭和のコントのような事が実在している会社なんです」

という説明です。

会社の状況が目に浮かびますよね。


聞いている私は「そんな会社まだあるんだ」「絶対嫌だな、私だったら辞めたいな」と思いました。

面接官にも「自分だったら辞めたいな」と思わせたら勝ちです!

納得感があります。

ちなみにこの方の例のように自分がされていなくても、他の人が怒鳴られたり嫌な目に合っているという事を、日常的に目にしたり耳にしたりしている場合でも心理学的にストレスは強く感じます。

辞めたいと思って当然の事ですので同じような状況の方がいたら自分の心を大切にしましょう。

パワハラやセクハラなどナイーブな退職理由を面接で伝えるには、個々の事情や心境、状況によっても変わる為、テンプレート通りに行かないことも多いと思います。

キャリア相談では個別にあなたの状況・事情をお伺した上で、好印象となる伝え方を一緒に考えますのでお気軽にご相談ください。

退職理由、面接での好印象な伝え方

前置き・クッション言葉を使う

面接の場で退職理由を誠実に伝える為には、正直な気持ちや事実を言わなければ行けない場面があります。

とはいえ、そのまま伝えると文句、悪口に聞こえかねません。

そこで、前置きとしてクッション言葉を挟む事で柔らかくなる事があります。

★便利なクッション言葉★

「前職を悪く言うつもりはないのですが」

「きちんとお伝えしたい為、正直な気持ちをお伝えさせて頂くと」

「私にも至らない点や誤解を招く点があったかと思いますが」

「私が甘かったのかもしれませんが」

「今思えば」

クッション言葉の例①

本当の理由:社長がワンマン経営で、会社自体長くは続かなさそう

会社を悪くいうつもりはないのですが、面接の場ですのできちんと説明させて頂くと、社長が・・・」

クッション言葉の例②

本当の理由:パワハラ 

私にも上司の期待に答えられない部分があったのかとは思いますが、上司によるパワハラです。大きな声で怒鳴られたり、物を投げつけられる事もあります(具体的に)。同期は全員退職し、残っているのは私1人です。」

クッション言葉の例③~数年前や学生時代の話など、過去の説明~

面接官:なぜ最初の会社は3カ月で退職されたのですか?

今思えば、せめて1年は勤めてから転職を考えればと思うのですが、その時は・・」

数年前の話をする際には「今思えば」を使い、今の大人である自分が過去の自分を俯瞰してみているように話すと好印象です。

前編でご紹介した「面接官が退職理由を聞く理由」の3つ目「話しにくい質問に対してどう説明するか」という点も見られている事を意識しましょう。

面接官は起きてしまった事実やあなたの過去を責めているわけではありません。

今のあなたがどう捉えて、どう説明し、今後前向きに進んでいけるかが重要です。

ここにはない退職理由や特殊な事情がある方、ブランクがあるなど個々に事情があるかと思います。

転職の家庭教師では、あなたの状況に合わせた説明の仕方を一緒に考えますので、おひとりで考え込んでいらっしゃる方はお試しキャリア相談にてご相談ください。

前向きに退職理由を伝える方法と例(残業が多い、土日休み希望)

ここまで紹介したように、言い方や表現を工夫して伝える事は大切です。

しかしながら本当の理由だけを述べていては、好印象とはなりません。
残念なことに、例え前職が倒産したからといっても同情はされますが、この会社があなたを雇う理由にはならないからです。

★解決方法★

今後どうして行きたいかという前向きな話を多く伝える

転職理由2割、今後どうしていきたいか前向きな話しを8割に。

意識してほしいのが、今後どうして行きたいかという前向きな話を多く伝えていきます。

残業が多い場合の例

伝え方の例

「残業が100時間を超えて今後長く続けられないと考えたからです。これを機に以前から興味があり、自分でも勉強をしております〇〇業界にチャレンジをしたいと考え、転職活動をしております。なぜ〇〇業界に興味があったかと言いますと・・・」

シフト制から土日休みを希望する場合

伝え方の例

「土日休みの会社で働きたいというのが理由の1つです。業界的にシフト制である事は理解して働いてきましたが、不規則な生活になりがちです。今はまだ年齢的にも問題ないのですが、今後10年20年先を考えた時に、年を重ねてからも健康的に働き続けたいと思い転職を決意しました。2つ目はこれを機に〇〇の業界に挑戦したいと考えたからです・・・」

★Point★
転職理由2割、前向きな話し8割の割合となる位転職理由を少な目に話すと前向きな印象になります。

★Point★
便利な言葉:「これを機に」

伝え方の例

会社が倒産しました。これを機に以前から考えていた営業職への転職を決意しました。

ネガティブな事が多いからこそ伝え方に工夫を

退職理由が誠実かつ好印象となる具体的な説明についてご紹介しました。

前置きやクッション言葉、具体的に説明する。

これだけでぐっと印象は変わります。


私はいつも転職の家庭教師で面接のアドバイスをする際には、「嘘はいけないけど物は言いよう」と伝えています。

ネガティブな内容だからこそ、伝え方を工夫していきましょう。

重ねてになりますが、言い方だけをつくろっても心がついてきません。 

本当の理由と向き合うというステージを飛ばすことがないようにしていきましょう。

こちらの記事を参考にしてください。

退職理由を面接でどう説明する?(前編)~プラスに表現する前に必要なこと~

転職の家庭教師では面接の練習、退職理由や志望動機の伝え方や自己PRの方法など、個別の状況にあわせて一緒に考え、自分の言葉で伝えられるようにしていきます。

退職理由も歩んできた人生も十色。

自分自身だけで向き合っていてもどうしたらよいかわからない事もあると思います。

まずはお試しキャリア相談でじっくり過去を振り返りながらお気持ちをお伺いし、気がついたことをフィーバックさせて頂き今後の事を一緒に考えていきます。

まだ書類やお気持ちがまとまっていなくても大丈夫です。

面接の練習は想定質問集を用意し、ご希望があれば録画をして後で振り替えられるように動画をお渡しも可能です。

(録画はオンラインのみ)

まずはお試しキャリア相談でお気軽にご相談ください。

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