退職理由を面接でどう説明する?(前編)~プラスに表現する前に必要なこと~

こんにちは。転職の家庭教師キャリアコンサルタントの丸井沙紀です。

面接で必ずと言っていいほど聞かれる「退職理由」

前職など直近の理由にとどまらず、複数回転職している人は、全ての会社の退職理由や転職理由を聞かれるケースもあります。

「うまく説明できない」「全て正直に話していいの?」「説明のしようがない」「正直に話しすぎたかも」

というご相談を多くいただきます。

「わかってます!プラスに表現すればいいんでしょ?」「ネットで合いそうな事例を見つけました」

ちょっとまって!

その前にやってほしい事があります。

いきなり事例に合わせたプラス表現で話をされてもどこか嘘くさかったりします。

ここではただ単に「こう伝えればいい」という伝え方ではなく、そもそも自分と向き合い、マインドセットをして、今後の対策も考える。

その上で面接で好印象になるように伝えるテクニックまでをシリーズでお伝えします。

一番大切な事を一緒に考えていきましょう。

面接官が退職理由を聞く理由

なぜ面接官は退職理由を聞くのでしょうか?理由は3つです。

またすぐに辞めてしまわないか

面接官が退職理由を聞く理由1つ目は「再現性はないか?」。

ようは「またすぐに辞めちゃわない?」という事です。

短い期間で辞めた場合や何度も転職を繰り返している場合には、どうしてもついてまわる心配です。

恋愛におきかえてみるとわかりやすいと思います。

何度も離婚歴がある人、しょっちゅう恋人と別れては付き合い別れてを繰り返している人とのお付き合いを考えた時には「なぜ何度も別れているのだろう」「自分とお付き合いしても同じ事にならないか?」と気になりますよね。

退職理由が転職で解決できるのか?

前職(または現職)を辞めた理由が転職先では解決できるのか?という事です。

これは求職者自身にとって転職で一番大切な事でもあります。

残業が多い→残業が減る

給料が低い→給料UP

もっと●●仕事がしたい→●●な仕事ができている

という状態にならないと転職は成功とは言えません。

会社側にとっても、転職理由と会社で用意できる環境が一致しておらず、入社してから「こんなはずはなかった」とトラブルになったり、短い期間での退職に至ったりしては困りものです。

お互いの為にも擦り合わせが必要です。


同様の理由で「今後のキャリアプランは?」という質問も面接で聞かれます。

話しにくい質問に対してどう説明するか

退職理由はほとんどがネガティブな理由です。

中にはキャリアアップなど前向きな理由の場合もありますが、ほとんどが自身にとってネガティブな事です。

会社の対応や環境が原因であったり、まわりの人間関係、倒産など本人ではどうしようもない事などネガティブや辛い話がついてまわります。

面接官もそこは百も承知です。

そういった質問をされた時にどのように話し、説明をするのか、今後どうしていきたいのかなど話し方や態度も含めて総合的に見ています。

恋人やお付き合いを考えている方に、元彼(元彼女)と別れた理由を聞いら、あまりにボロクソ悪口を言っていたり、相手のせいばかりにしたり、批判したり、感情的になっていたら・・嫌ですよね?

(そりゃあ色々あったかもしれませんけど!)

面接の場面で実際に出てくる本音の数々・・・

私が今まで面接官や面接に近い場面で実際にあった事例をお伝えします。

(ここではあくまで面接や面接と近い場面での事例です。転職の家庭教師やキャリアコンサルティングでは本音を話して頂く場面ですので事例からは除外しています。また、プライバシー保護の為、要約の仕方など一部表現を変えている部分があります)

・前の会社の悪口

これは結構多いです。話し出すとスイッチが入るのか出てくる出てくる悪口大会。その時の感情が蘇り、感情的な話し方になる方もいます。

・いかに自分は不幸な状況かを沢山説明し「だから雇ってください」とアピール

・上司と喧嘩になり殴ってやった

・面接中に泣いてしまった

当時の辛い事を思い出し面接の場面で泣いてしまう方も。

え―!面接の場ですよ?本当にそんな人いるんですか?と言われますが実際に結構いますよ!

実は転職エージェント(人材エージェント)との面談やヒアリングで退職理由を伺う時も、面接本番ほどではありませんがこの辺りは見ています。

なぜなら紹介に値するかどうか、そして転職後すぐに辞めてしまってはエージェントも困るからです。

詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。

転職エージェントに相談してもピンとこない理由

プラス変換の前にやってほしい事

わかってますよ。そんな本音丸出しの面接はNGな事は。

だからプラスに転換すればいいんですよね?という方も多いでしょう。

色々調べててこのブログにたどり着いている方は、きっと退職理由の好印象な説明の仕方などを大手エージェントのサイトを読んで調べている事でしょう。

例を元に自分なりの説明を考えた方もいるでしょう。

でも、何かしっくり来ない、これでいいのかな?そんな風に思っている方もいると思います。

実際私が相談や面接練習の相手をする時にも、とてもよく考えたと思われる綺麗な言葉でプラスにお話される方もいらっしゃいます。

でも本人もしっくりきていないのか何かわざとらしいのです。

なんともいえない違和感があるんですね。

するどい面接官はそこをどんどん深堀してきますので、あたふたした経験をした方もいると思います。

そこでプラス表現をする前にやってほしい事をお伝えします。

退職理由を〇〇で書き出す

まずやってほしい事は退職理由を本音で書き出すという事。

上記の面接の例で挙げたような前職の文句でも悪口でも愚痴でも自分の弱さでも、なんでもいいんです。

まずは本音で書き出しましょう。

辞めた会社が10社ある人は10社とも書き出しましょう

ブランク期間がある場合にはその理由や、何をしていたのかなど全て本音で書き出します。

まずは本当の理由と向き合う事が大切です。

書いてみるとわかりますが、本音で書き出すとまずスッキリします。

場合によっては辛い経験、思い出したくないことも思い出し辛い気持ちになる方もいるでしょう。

でもこれを面接本番という緊張している場で、知らない人(面接官)に掘り下げられて辛い気持ちを思い出すので、焦って変な事を言ってしまったり泣いてしまったりするんです。

だからこそ面接より前に自分自身で向き合う事が重要です。

客観視してみる(並べてみるとわかる自分の癖)

本音を書き出したら客観視してみます。

特に転職を複数回繰り返している方は、一定の癖や法則が見えてきます。

今まで伺った方の事例をいくつか挙げていきます。自身の理由と照らし合わせてみてください。
(プライバシー保護の為、要約の仕方など一部表現を変えている部分があります)

どの会社も毎回同じような理由で辞めている


人間関係 パワハラ 同僚からのイジメ 残業多い やりたい仕事の担当につけない 行く会社行く会社倒産する 様子がおかしい社員の隣の席になる

中には、

地元で働きたいので地元の会社に就職(客先常駐の仕事)
→地元には勤務先がない為首都圏勤務になる
→地元に帰りたいから退職
→地元で働きたいので地元の会社に就職(客先常駐の仕事)
→地元には勤務先がない為首都圏勤務になる
→地元に帰りたいから退職「地元で働きたいので地元の会社に就職(客先常駐の仕事)
→地元には勤務先がない為首都圏勤務になる
→地元で働きたいから辞めたい(今ここ)

という方もいました。

1社おきに同じ理由で退職している

1社目:給料低い
2社目:給料UPしたがやりがいがない
3社目:やりがいはあるが給料が低い
4社目:給料UPしたがやりがいがない

実はこれ、本人も気が付いていない事が多いんです。

私のコンサルでもまずは本音の転職理由を伺うのですが、一定の法則がある事に私が先に気がつき伝えると、ご本人が「言われてみれば!!」と気がつくことがあります。

恋愛に例えても同じことが言えます。

今までの恋人と別れた原因に共通点がある方など恋愛に癖が場合があります。

退職理由全てに向き合うのがまだ億劫に感じる方は、試しに今まで恋人と別れた本当の理由や離婚理由を全て思い返してみてください。

共通点または1人おきに同じ理由であったりなど・・・意外な発見があるかもしれません!

私がお見合いするとしたら、職務経歴書を見て転職歴がある方であれば全ての退職理由を伺いたいです(笑)

できれば過去の恋人と別れた理由を全て聞き出してみたいですね!

一番その人の本音と本質が見抜けて、安心できる方と出会えると思います!

(そんなお見合い、相手の方は絶対嫌でしょうね・・・笑)


私は転職の家庭教師やキャリア相談を受けた時も、必ず本音で退職理由を伺います

そうするとその方の本音、考え方、癖、仕事に対する思い、弱さ、強さなど色々な事が見えます。

一番相談者の方を理解しやすいポイントと言えます。

逆に採用サポートの仕事の時には、面接官に必ず全ての退職理由を深堀りするよう企業側にアドバイスしています。

本当の理由を理解した上やることは・・・

挙げた本当の退職理由、繰り返してしまう理由。

気持ちはよくわかります。

本人にはどうしようもない理由ばかりです。

いじめなど例え自分に非がなくても、どこに行っても繰り返すようであれば、いい加減どこかでストップしなければなりません

なぜなら自分自身が一番辛いから。

向き合った上で対策すべき3点

共通した退職理由は何か

なぜ今に至ったのか

今回の転職で何を解決したいのか?

この3点しっかり向き合う事で、求人の探し方や今後のキャリアプランは変わってくると思います。

もう気がついていると思いますが、これは自己分析です。

面接の準備をしていたのに自己分析に立ち返っていますね。

でもここを飛ばすと後で大変なことになります。

本来は、面接の段階に行く前に自己分析でここまでを洗い出しておくと近道になります。

自己分析で本音を洗い出す方法

自己分析をしっかり行いたい方はこちらをぜひご利用ください。

7枚あるシートにある質問に答えて記入していくだけで、本音が整理でき、転職エージェントで聞かれるであろう質問にもすらすら答えられるようになります。

自己分析ができていれば、後は面接で好印象になるように伝えるだけです!

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面接前に準備しておきたい大切なこと

ここまで面接での退職理由の説明を、「どううまく説明するか」という前にやってほしい事を紹介しました。

自己分析の時点から気持ちや事情を整理しておく事をお薦めします。

面接本番、元気に自信満々に、心から自分の事をPRし説明できるよう、マイナスな面や泣きたい気持ちは自己分析や準備の段階で吐き出し自己解決しておきましょう。

次の回では実際にどうプラスの表現にしていくか、好印象となる説明方法を具体的に説明いたします。

退職理由を面接でどう説明する?(後編)~好印象になる伝え方~ 

退職理由を面接でどう説明する?(後編)~好印象になる伝え方~

退職理由も歩んできた人生も十色。

自分自身だけで向き合っていてもどうしたらよいかわからない事もあると思います。

まずはお試しキャリア相談でじっくり過去を振り返りながらお気持ちをお伺いし、気がついたことをフィーバックさせて頂き今後の事を一緒に考えていきます。

まだ書類やお気持ちがまとまっていなくても大丈夫です。

過去サポートさせて頂いた方の中では、今までの転職理由の共通点を洗い出し、本人に非がない外的要因(人間関係、トップダウンなど)について、どう解決するかも考え転職活動に活かしました。

職場の探し方は勿論、入社後のの立ち振る舞いまでアドバイスをさせていただく事で、同じ失敗を繰り返す事なく、転職後活き活きと働いている方が多くいらっしゃいます。

まずはお試しキャリア相談でお気軽にご相談ください。

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